政策協議に臨む自民党の高市早苗総裁(右側中央)と日本維新の会の藤田文武共同代表(左側中央)ら=2025年10月16日午後2時56分、国会内、岩下毅撮影
自民党の高市早苗総裁と日本維新の会の藤田文武共同代表は16日、国会内で連立政権を見据えた政策協議を行った。基本政策の一致を前提に、維新が求める消費減税、企業・団体献金の廃止について調整を急ぐ方針を確認した。高市氏は維新側に、連立政権における入閣も打診。両党は17日にも再協議し、大筋合意に向けた最終調整に入る。
会談は高市、藤田両氏のほか両党の幹事長、政調会長も同席し、約1時間15分行われた。終了後、藤田氏は記者団に「憲法、安全保障、エネルギーといった基本政策について価値観を共有していることを確認した」と説明。そのうえで「信頼関係が一段、上に進んだ」と述べた。
また藤田氏は、維新側から連立の条件として、経済、財政、社会保障など12の政策テーマの遂行を自民側に求めたことを明らかにした。具体的には、災害時の首都機能をバックアップする地域を整備する副首都構想、社会保険料の引き下げ、国会議員の定数1割削減などを提示したという。
維新側の説明によると、12の政策テーマのうち、食料品に限った2年間の「消費税ゼロ」、「企業・団体献金の廃止」については両党の考えに距離があったという。自民は参院選で消費減税ではなく「給付」を掲げ、企業・団体献金は禁止よりも「公開」を主張してきた経緯がある。
一方で藤田氏は、「(自民が)全部丸のみするなら最初から同じ党だ」とも語り、連立の条件として、必ずしも全政策の採用を求めないとの考えを示した。会談では維新からも閣僚を出す「閣内協力」を求められたとし、「(高市氏は)相当な決意と覚悟」との認識を示した。
ただ、16日現在の構成では、自民と維新が連立を組んでも衆院会派は計231議席で、過半数まで2議席足りない。参院会派も計120議席で過半数に5議席届かず、少数与党による政権運営となる状況は変わらない。
■日本維新の会が自民党に要望した12項目
1.経済財政政策
2.社会保障政策
3.皇室・憲法改正・家族制度等
4.外交安全保障政策
5.インテリジェンス政策
6.エネルギー政策
7.食料安保・国土政策
8.経済安保政策
9.人口政策・外国人政策
10.教育政策
11.統治機構改革
12.政治改革
朝日新聞社