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広がる「万博ロス」…でも、まだあるミャクミャクに会えるチャンス

投稿日: 2025-10-14 12:54

大阪・関西万博の最終日、ドローンショーで描かれた公式キャラクターのミャクミャク=大阪市此花区で2025年10月13日午後7時47分、長澤凜太郎撮影

半年間にわたる会期を終え、13日で幕を閉じた大阪・関西万博。お気に入りの展示や公式キャラクター「ミャクミャク」との別れを悲しむ声が、ファンの間で広がっている。耐えがたい「万博ロス」――。しかし、余韻を楽しむ機会はまだ残されている。

「さみしいの一言に尽きる」。閉幕が近づいた13日夜、最後となる花火が会場で打ち上げられた。万博のシンボルである大屋根「リング」の上で、大勢の来場者がその光景を目に焼き付けていた。

 万博に22回足を運んだという会社員の山崎愛さん(42)=京都市=は「各国のイベントやパビリオンスタッフとの出会い全てが『一期一会』だった」と振り返り、つぶやいた。「終わるのは切ない……」

 各国の文化などに触れられる機会とあって、海外パビリオンは入場を待つ長い列が連日できた。

 イタリアは、古代ローマ時代(2世紀ごろ)の作品とされる大理石彫刻「ファルネーゼのアトラス」像を日本で初公開した。2026年2月に開幕するミラノ・コルティナ冬季オリンピック・パラリンピックの聖火リレー用トーチも披露され、館内は一目見ようとする人であふれた。

 それだけに入館のハードルは高く、あまりの混雑に諦めた人も。埼玉県所沢市の会社員、浦川太志さん(30)は会期中に複数回訪れ、閉幕日も並ぶことを断念した。

 知人から「何度でも見たくなる展示」という感想を聞いていた。ただ、待ち時間が長く、入館を断念せざるを得なかった。「万博で見る特別感や付加価値を感じたかったのに」と残念そうだ。

 会社員の中田美也子さん(56)=大阪市=は閉幕日に夫と4時間並び、5月に続き2度目となるアトラス像との「再会」を果たした。「間近で見ると重厚感があり、質感の良さも感じられた。イタリアに行かずに文化に触れられたのは魅力的だ」と声を弾ませる。

 ただ、このアトラス像は当面の間日本国内に残り、10月25日から26年1月12日まで大阪市立美術館で公開される予定だ。

 ◇公式グッズ販売期間を延長

 当初の不評から一転、万博盛況の立役者といえる存在になったミャクミャク。石破茂首相が13日に感謝状を贈呈したほどだ。

 会場では閉幕日の夜、複数のドローンの光でミャクミャクが夜空に描かれ、周囲から歓声と拍手が起こった。少しずつ光が薄らいでいく演出に「消えないでー」と声を上げ、目をうるませる来場者もいた。

 会社員の上田理恵さん(37)=奈良市=はミャクミャクが描かれたTシャツやキーホルダーを身に着けて来場。「まだまだシンボルとして活躍してほしい」と願っていた。

 あまりの人気ぶりに、万博を運営する日本国際博覧会協会は当初閉幕日までの予定だった公式グッズの販売期間を26年3月末まで延長。万博会場外の店舗やインターネットサイトで扱うことにした。

 会場に設置されていたミャクミャクのモニュメントも26年1~3月、1970年大阪万博の会場跡地にある万博記念公園(大阪府吹田市)に移設される予定だ。あの愛くるしい姿と記念写真に納まることも、当面はできそうだ。【根本佳奈】

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