東京電力は福島第一原子力発電所3号機で、早ければことし11月から小型のドローンを使って、格納容器の内部を調べる調査を行うと発表しました。事故で溶け落ちた核燃料デブリの取り出しに向け、新たな情報が得られるか注目されます。
福島第一原発の事故で、1号機から3号機には、溶け落ちた核燃料と周りの構造物が混ざり合った核燃料デブリが合わせて880トンあると推計され、東京電力はこのうち3号機で2037年度以降に本格的な取り出しを始める方針を示しています。

この準備として東京電力は、早ければことし11月から原子炉を覆う格納容器の中に小型のドローンを飛ばして、内部の状況を調べる調査を行うと発表しました。
調査では、3号機の格納容器の内部につながる細い貫通部から、幅13センチ、奥行き12センチの小型のドローンを飛ばして、原子炉の底の部分を中心に撮影し、核燃料デブリの状況などを詳しく調べることにしています。
これまで3号機では、2017年に水中ロボットを入れた調査で、格納容器の底などに燃料デブリとみられる塊が積もっているのが確認されていますが、その上にある原子炉の詳しい状況などはわかっていません。
ドローンを使った調査は、去年、1号機で行われましたが、3号機の格納容器では初めてとなります。
東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は記者会見で「本格的なデブリの取り出し工法を検討するには、原子炉の底の部分の状況を把握することが重要になる。ドローンの調査で情報を得て今後の廃炉作業に生かしたい」と話していました。