
ニューヨーク(CNN) 米スターバックスは25日、苦戦する事業の立て直しに向けて「重大な措置」を講じる方針を示し、カフェ数百店の閉鎖や2度目となる本社の人員削減を発表した。ブライアン・ニコル最高経営責任者(CEO)による経営再建策の一環。
ニコルCEOの発表によると、スターバックスは今月、全店舗数のおよそ1%に当たる数百店を閉店する。北米での店舗数は6月末時点で1万8734店で、これが9月末には1万8300店になるという。
事業再編の費用については、10億ドルと見込んでいる。スターバックスの株価は早朝の時間外取引で横ばいだった。
ニコル氏は従業員宛ての書簡で、店舗展開の見直しを行った結果、閉店対象となるのは「顧客やパートナーが期待する物理的環境を作れない、あるいは業績改善の道筋が見えない」店舗だと述べた。
スターバックスは通常、業績不振などさまざまな理由で店舗を閉店する。しかしニコル氏によれば、今回の大規模対応はより大きな意味を帯びている。
「今回は一段と重大な措置になる。パートナーや顧客に影響を与えることは理解している。私たちのカフェは地域社会の中心であり、閉店は難しい判断だ」(ニコル氏)
次週の会計年度末を前に数百店の閉鎖を行うが、スターバックスは成長路線への回帰を見込んでおり、1000店舗以上の改装も計画している。新しい店舗デザインは、より居心地の良い椅子、電源コンセントの増設、暖色系の色合いが特徴になるという。
閉店に加え、スターバックスは本社の従業員900人の追加レイオフ(一時解雇)を発表した。2月に実施された約1000人の削減に上乗せされる。対象となる従業員には26日に通知され、「十分な退職金と支援パッケージ」が提供される。
ニコル氏は約1年前、名門チェーンの復活を目指してスターバックスに加わった。しかし、株価は約12%下落したほか、売り上げも改善しておらず、成果は実を結んでいない。
メニューを約30%削減する一方、トレンドに乗り遅れまいと、プロテイントッピングやココナッツウォーターなどの新商品を導入。フードも刷新され、新しいクロワッサンやベーカリー商品が展開されている。