2025年10月中旬に「大阪芸術大学 動物ジオラマ館『芸大Zoo』」がオープン決定!第1弾レポート「現地取材編」を本日公開

 大阪芸術大学(所在地:大阪府南河内郡/学長:塚本 邦彦)は、2025年10月中旬にアフリカや北アメリカ等の剥製の動物をジオラマとして展示する「大阪芸術大学 動物ジオラマ館『芸大Zoo』」を大阪芸術大学31号館に開館いたします。これに先立ち、施設完成までの取り組みを紹介するレポートの第1弾「現地取材編」を本日公開いたしました。

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 『芸大Zoo』は、アフリカの草原、岩場のある草原、森林それぞれを再現した3つのジオラマシーンに加え、シカやカモシカを紹介する展示エリアで構成されます。各展示には、現在滋賀サファリ博物館で公開されている剥製が使用される予定で、同館の閉館に伴い2025年7月頃に本学へ寄贈・移設される計画です。

 また、本プロジェクトでは、オープンに向けて制作過程を紹介する連続レポートを発信してまいります。その第一弾として、本日公開された「現地取材編」では、大阪芸術大学 教養課程主任教授 若生謙二先生が、ジオラマの背景写真を撮影するために2024年8月に訪れたアフリカの現地調査の様子を記録しています。ケニア・マサイマラ保護区、ウガンダ・ブウィンディ原生国立公園、アバーディア国立公園における取材の模様が紹介されています。

 今後も、ジオラマ制作の進行に合わせて、制作風景を収めたレポートを順次公開予定です。次回は「建設中編」をお届けする予定となっております。今後の展開にぜひご期待ください。

■第1弾レポート「現地取材編」全文

 本年10月、本学にアフリカや北アメリカ等の剥製の動物をジオラマとして展示する、大阪芸術大学動物ジオラマ館「芸大Zoo」がオープンします。開館まで数回にわたってその進捗状況をレポートします。

芸大Zooに展示される剥製は、現在、滋賀サファリ博物館に展示されているもので、同館の閉館に伴い本学に寄贈され、本年7月頃に本学に移設されます。剥製はキリンやシマウマ、エランドなどアフリカのサバンナの動物とボンゴ等アフリカの森林の動物、エルク、ヘラジカ等北アメリカや日本の野生動物などからなります。

 ジオラマはアフリカの草原、岩場のある草原、森林の3シーンがあり、その他にシカやカモシカの展示エリアがあります。ジオラマは通常、剥製を配置するエリアの背面に動物が暮らしている風景を透視画法で描くのですが、本学のジオラマでは、写真で表現することにしました。動物の生息地の写真を撮影する必要があるため、撮影のために、2024年8月にケニアのマサイマラ保護区とウガンダのブウィンディ原生国立公園、アバーディア国立公園を大学からの出張で訪れました。背景写真として拡大に耐える画質が求められるので、カメラは写真学科から富士フイルムの高解像度カメラと三脚をお借りしました。

 森林エリアのメインとなるボンゴは、パンダやオカピ、コビトカバとならんで世界四大珍獣とも呼ばれる動物で生息地はほぼこの地域の森林に限られています。エンテベ空港から車で10時間移動してコンゴとの国境沿いにあるウガンダのブウィンディ原生国立公園を訪れました。沿道には、ブタを抱いてバイクを走る人や、湖から釣り上げた大きな魚を路上で販売する人々等ウガンダの人々のくらしを見ることができます。山の中の国立公園につくと、ふさわしいシーンを探して山並みの森の中をレインジャーとともに7時間も歩いて撮影しました。木製のロッジに泊まり、ベッドに入ると、足元が暖かかったので、動物でも入ってきたのかと思って見ると、湯たんぽがおかれていました。この地は標高3,000mほどで、気温は低いのです。この後、車で7時間ほど運転したところにある、アバーディア国立公園での森林地帯でボンゴの生息地の撮影を行いました。

 ウガンダでの旅程を終え、ケニアのマサイマラ保護区に向かいます。ここでは、広大な草原が広がるサバンナの景観を撮影しました。この時期はヌーの大群が訪れており、チーターがヌーの子どもを襲う光景を目にしました。狩りは成功したように見えましたが、母親の反撃で子どもは護られました。

 このようにして、無事ジオラマの背景写真を撮影して帰国しました。現在は乃村工藝社で写真の編集をしているところで、これからジオラマシーンの展示制作にとりかかります。完成を楽しみにお待ちください。

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ブウィンディ原生国立公園のロッジ
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同じ

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ブウィンディ原生国立公園の森林の風景
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同左

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沿道でバナナを運ぶトラック
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同左

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バイクでブタを運ぶ人
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マサイマラ保護区のキリン

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マサイマラ保護区のサバンナの風景
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ヌーの群れ

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マサイマラ保護区のアフリカゾウ
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同左

『芸大Zoo』レポート執筆者  大阪芸術大学 教養課程主任教授 若生謙二先生

プロフィール

 1978年 信州大学大学院修士課程修了。東京大学農学博士。公園のランドスケープの起源であるイギリス風景式庭園の形成過程を探るとともに、動物園デザイナーとして全国の動物園で生息環境展示の実現にとりくむ。動物園ランドスケープ会議代表、日本展示学会会長。ヒトと動物の関係学会会長・日本造園学会常務理事・関西支部長を歴任。1998年 日本造園学会賞受賞。2011年 日本造園学会特別賞受賞。2015年、2016年宇部市ときわ動物園「中南米の水辺」等の施工で日本公園緑地協会、国土交通省都市交通局長賞受賞。2022年 上野動物園パンダのもりの設計で日本造園学会作品賞受賞。2023年 長野市茶臼山動物園「オランウータンの森」で第7回日本展示学会賞 作品賞 受賞。2024年 日本造園学会 上原敬二賞 受賞。

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<概要>

■施設名     :「大阪芸術大学 動物ジオラマ館『芸大Zoo』」

■場所      :大阪芸術大学 31号館

■住所      :大阪府南河内郡河南町東山469

■アクセス    :JR天王寺駅・OsakaMetro天王寺駅

          近鉄大阪阿部野橋駅から近鉄南大阪線/長野線で約25分

          喜志駅 下車

          喜志駅から無料スクールバスまたはコミュニティバス

          「近つ飛鳥博物館 行」で約10分 東山停留所 下車

By boingo

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